フジキセキ

生産	社台ファーム
誕生日	1992年4月15日
馬主	齊藤　四方司
調教師	渡辺　栄（栗東）
父	サンデーサイレンス
母	ミルレーサー
性別	牡馬
毛色	青鹿毛
通算成績	4戦4勝（内重賞2勝）2着0回

フジキセキはサンデーサイレンスの初年度産駒です。

デビュー戦は８月の新潟で行われた新馬戦（芝１２００ｍ）
２番人気だったフジキセキは出遅れてしまう。
短距離の上に小回りコース。
この出遅れは致命傷かと思われたが、
早めに進出すると直線で突き抜ける。
終ってみれば２着のシェルクイーンに８馬身差をつける圧勝であった。


続く２戦目は阪神で行われた３歳オープン特別の
もみじステークス（芝１６００ｍ）
フジキセキは前走が評価され１番人気に。

レースは、今回は出遅れもなく中段を追走。
３コーナー手前からまくっていくと
直線に入って直ぐに先頭にたつ。
しかしフジキセキはここで走るのをやめようとする。
鞍上の角田はフジキセキに鞭をいれる。
すると今度はｲﾔｲﾔをして斜行してしまう。

結局２着のタヤスツヨシに１馬身１/４の差をつけて勝つのだが、
出遅れ・斜行など、サンデーサイレンスから引き継いだ
気の悪さを露呈する結果となった。


そんな不安を抱えつつフジキセキは中山で行われる
ＧⅠ朝日杯３歳ステークス（芝１６００ｍ）に出走する。
１番人気は実力が評価されたフジキセキ。
２番人気はフジキセキ同様新馬→オープン特別を連勝している
外国産馬のスキーキャプテン。
このレースはこの２頭の一騎討ちムードが漂う。

レースはフジキセキは中段待機。
スキーキャプテンは後方待機でレースが進む。
３コーナーでいつものようにフジキセキがまくりに入る。
直線坂下で先頭にたったフジキセキを
スキーキャプテンが物凄い脚で追い込んでくる。

直線坂上で馬体があう２頭。
どちらも譲らない壮絶な叩き合い。かと思われた。
しかし実際には違っていた。

角田は鞭を使っていなかったのである。

どちらが前に出てもおかしくない状況である上に
スキーキャプテンの鞍上はあの武豊である。
鞭をいれない余裕などないはずである。
しかし、前走で斜行した事を考慮してか結局角田は鞭を使わずに終った。

結果フジキセキはスキーキャプテンをクビ差凌いで優勝する。
着差以上の強さを見せ付けたフジキセキは
同時にサンデーサイレンス産駒初のＧⅠ勝ち馬となる。



年が明けて初戦。
フジキセキは中山で行われた皐月賞トライアルレース
ＧⅡの弥生賞（芝２０００ｍ）に出走する。
当日はあいにくの重馬場。
フジキセキにとっては初の体験となる。

レースは重馬場を考慮してか早め２番手を追走する。
４コーナーで早々と先頭にたつフジキセキ。
ここから独走態勢になる。
だれもがそう思った。
しかし、あろう事かホッカイルソーに差されてしまう。

今まで直線で差された事のないフジキセキは
これで闘志に火がついたのか今まで見せた事のない豪脚を発揮する。

結果２着のホッカイルソーに２馬身１/２の差をつけて勝利する。



重馬場もこなし距離もこなせる事を証明したフジキセキは
早々と３冠確定！と言われはじめる。


しかし、その後屈腱炎を発症し早々と引退する事となる。



引退し種牡馬となったフジキセキは
サイアーリーディング上位の常連となる。

サンデーサイレンスの評判は海外にも広まっており、
フジキセキはサンデーサイレンス直仔と言う事もあり

春は日本で種付け
秋はオーストラリアで種付け

と言うシャトル種牡馬にもなる。
これは南半球と北半球の季節のずれを利用した種付け方法である。


フジキセキの産駒は重賞こそ勝つものの
ＧⅠを勝つ所まではなかなか行かなかった。
しかし、２００２年にカネヒキリがようやくＧⅠを勝つ事になります。




フジキセキは同期の馬より格が３つも４つも違う印象があり、
本当に無事でいられれば３冠が取れたかも。。
と思わせる馬でした。

現にダービーを勝ったタヤスツヨシにもみじステークスで勝っている訳で
クラシックの上位常連に名を連ねた
ホッカイルソーにも勝っている訳でもあります。

幻の３冠馬と呼ばれた馬は数多くいますが
こんなに早く引退してしまったのはこの馬だけではないか。。

勿体無い。。