エアグルーヴ

生産	社台ファーム
誕生日	1993年4月6日
馬主	ラッキーフィールド
調教師	伊藤　雄二（栗東）
父	トニービン
母	ダイナカール
性別	牝馬
毛色	鹿毛
通算成績	19戦9勝（内重賞7勝）２着5回

父は凱旋門賞勝ち・母はオークス勝ち
と言う血統を持って産まれたグルーヴは
幼少の頃から評判が高かった。

デビュー戦は３歳。
７月のの札幌で行われた新馬戦（芝１２００ｍ）

単勝１．６倍と人気が高かったグルーヴは
スタートで後手を踏んでしまい後方待機。
直線で追い込んでくるも先行したマイネルランサムを
首差捕らえる事が出来ずに２着に終わる。


２戦目は同じく７月の札幌で行われた新馬戦（芝１２００ｍ）

少頭数であり他に有力馬がいなかった為に
グルーヴは単勝１．１倍の圧倒的１番人気に支持される。

レースはスタート良く飛び出すとそのまま逃げに出る。
直線に入ってもその脚色は衰えず
２着のダイワテキサスに５馬身の差を付けて快勝する。


３戦目に１０月に東京で行われた３歳オープン特別
いちょうステークス（芝１６００ｍ）に出走する。

一番人気に支持されたグルーヴは道中２番手を追走。
直線に入った所で逃げていたラブシックガイを捕らえようとした瞬間
ラブシックガイが大きくよれてしまいグルーヴの前をカット。
騎手が立ち上がってしまいそうになる程の不利をうけてしまう。

しかし態勢を立て直したグルーヴは再び猛追を開始し
２着のマウンテンストーンに１馬身の差を付けて勝利する。


そして４戦目。
３歳牝馬最強を決めるレース。
１２月に阪神で行われたGⅠ阪神３歳牝馬ステークス（芝１６００ｍ）に出走。

１番人気は武豊が数多くの乗り馬から選んだイブキパーシヴ
２番人気は新馬戦で豪快な勝ち方をしたゴールデンカラーズ
グルーヴは３番人気に支持された。

レースは休養明けながら好スタートを切ったビワハイジが逃げる。
グルーヴが２番手を追走。
パーシヴがそれを見る形で追走する展開。

３コーナーを回った所でパーシヴが大きく外によれて後退。
ハイジがセーフティリードを保ちつつ直線に。

逃げるハイジをグルーヴが猛追するも脚色が同じになってしまい
結局半馬身だけハイジを捕まえる事が出来ずに２着に終わる。


年が明けて４歳。
グルーヴの初戦は３月に阪神で行われたGⅢ
チューリップ賞（芝１６００ｍ）

このレースで再びビワハイジと対戦する事となる。
１番人気はハイジ。
２番人気はグルーヴ。
この２頭が抜けて人気になっており、
それ以外の馬はｵﾏｹ程度の扱いとなる。

レースは道中ハイジが３番手を追走。
グルーヴはそれを見る形で展開していく。

３コーナー過ぎでグルーヴが仕掛け、
ハイジとグルーヴが並んで４コーナーを回る。
直線に入り２頭の一騎打ちかと思われたが
グルーヴがハイジを置き去りにする。
結果、ハイジに５馬身もの差を付けて快勝し
一躍桜花賞最有力候補に上り詰める。



そしていよいよ桜花賞。
のはずだったが直前になって
グルーヴは熱発を発症し桜花賞を断念する事になった。


結局グルーヴは５月に東京で行われたGⅠ
オークス（芝２４００ｍ）に直行する事となった。

この年のオークスは

ビワハイジはダービーに出走。
桜花賞を勝ったファイトガリバーはフロック勝ちだと思われていた。
桜花賞２着のイブキパーシヴは脚部不安で回避。

と、グルーヴ以外の人気馬はほとんど皆無と言えるレースであった。

当然一番人気に支持されたグルーヴは道中中段待機。
３コーナー過ぎで仕掛けると直線。
逃げていたノースサンデーが大きく外によれてしまい
先行していた集団は不利を受けてしまう。
グルーヴも不利を受けていたが外に持ち出すと伸び脚は良く
結果追い込んできたファイトガリバーに１馬身1/2の差をつけて勝利する。


その後秋まで休養に入ったグルーヴはぶっつけで
１０月に京都で行われたGⅠ
秋華賞（芝２０００ｍ）に出走する。

単勝１．７倍の一番人気に支持されたグルーヴであったが
パドックで異様にいれこんでしまい
レースもチグハグな展開で１０着と大敗。
しかもレース中に骨折をしていた事が後に判明した。

この事を手綱をとっていた武豊は
「パドックでフラッシュに過剰に反応してしまいいれこんだ。
あれさえなければ骨折する事も無かっただろう」
と言う発言をし、後にパドックで警備員が
「フラッシュ撮影禁止」
と書かれたボードを持って立つきっかけになった。


骨折休養に入ったグルーヴの復帰戦は
年が明けた５歳の夏。
６月に阪神で行われたGⅢマーメイドステークス（芝２０００ｍ）で復帰。

牝馬同士の戦いでは相手がおらず、
ここを軽く勝利を収め、続く
８月に札幌で行われたGⅡ札幌記念（芝２０００ｍ）も快勝する。


そしてグルーヴは１０月に東京で行われたGⅠ
天皇賞・秋（芝２０００ｍ）に出走する。

１番人気は昨年の秋天の勝ち馬バブルガムフェロー
２番人気はグルーヴ
３番人気は皐月賞馬ジェニュイン
であった。

レースはサイレンススズカが前半を５８秒台で走るハイペース。
バブルガムが３番手の好位を位置取り、
グルーヴはそれを見る形で追走。
直線に入るとバブルガムとグルーヴの一騎打ちとなる。
ゴール板前まで続いた叩き合いはグルーヴが首差先着し
プリティキャスト依頼１７年ぶりの天皇賞牝馬勝ちとなる。


男馬と互角のレースが出来る事を証明したグルーヴは
１１月に東京で行われたGⅠジャパンカップ（芝２４００ｍ）に出走する。

２番人気に支持されたグルーヴは
ブリダーズカップ・ターフの勝ち馬ピルサドスキーにこそ
負けるものの、首差の２着に入り、日本馬最先着を果す。


その後、１２月に中山で行われたGⅠ
有馬記念（芝２５００ｍ）に出走し３着と健闘。
この年の年度代表馬に選抜された。



年が明けて６歳。
初戦は４月に阪神で行われたGⅡ
大阪杯（芝２０００ｍ）に出走。
単勝１．２倍の圧倒的１番人気に応え勝利を飾る。


しかしここからグルーヴの調子が落ち始める。
６月に阪神で行われたGⅡ鳴尾記念（芝２０００ｍ）では
直線で早々と先頭に立つも
サンライズフラッグのまさかの追い込みに屈し２着に敗退。

７月に阪神で行われたGⅠ宝塚記念（芝２２００ｍ）では
２着も確保できずに３着に敗れる。

その後８月に札幌で行われたGⅡ札幌記念では
メンバーが手薄だった事もあり勝利を飾るが
１１月に京都で行われたGⅠエリザベス女王杯（芝２２００ｍ）では
牝馬同士の対決でありながらも３着に敗退。

１１月に東京で行われたGⅠジャパンカップでは
エルコンドルパサーの２着に入るものの
２馬身半と言う大きな差を付けられての２着。
１２月の中山で行われたＧⅠ有馬記念では
レース中に落鉄のアクシデントがあり５着に敗れ引退する事になった。


引退したグルーヴは肌馬となり
初年度にＧⅠエリザベス女王杯を勝った
アドマイヤグルーヴを産み、肌馬としても期待されたが
それ以降これと言った産駒は誕生していない。


牝馬では女同士では強い牝馬と
男馬と混じっても強い牝馬と言う２種類の強い牝馬がいますが
この馬は後者の方で、現役当時は最強牝馬と呼ばれる事が多かった。

強いだけではなく華があった馬で
並んだら抜かせない。と言う勝負根性は見ていて気持ちいい物でした。

後にウオッカ・ダイワスカーレットなど
男馬に混じっても強い牝馬は誕生していますが
男馬のレベルを考えるとグルーヴは正に最強牝馬に相応しい。
と言えるのではないでしょうか。